【鉄道レビュー】タイのバンコクからラオスのビエンチャンまで寝台列車に乗ってみた
チケットの購入方法(オンライン)から実際の車内の様子まで写真多めで紹介。
2024年7月に正式に開通となった、バンコク〜ヴィエンチャン間を結ぶ国際列車のレビューです。
尚、バンコクはクルンテープ・アピワット駅、ヴィエンチャンはカムサワート駅が終着駅となります。
結論から言うとサクッと寝るだけ、移動メインと考えると十分アリ、というか非常に便利。
1泊分のホテル代を節約できることを考えるとかなりコスパ良いです(寝台クラスでも)。
時刻表
執筆時点でのバンコク発着分の運行スケジュールは以下の通り。
列車 | 133号 | 134号 |
---|---|---|
出発駅 | バンコク | ヴィエンチャン |
出発時刻 | 21:25 | 18:25 |
到着駅 | ヴィエンチャン | バンコク |
到着時刻 | 9:05 | 7:30 |
それぞれ一日1本ずつ。
ヴィエンチャン発の134号列車は夜早めの出発なのがやや微妙ではありますが、バンコク発の133号列車は夜の9時半ごろ出発でヴィエンチャンに朝の9時すぎに着くので(実際は少し遅れましたが)、ちょうどいいですね。
チケットの購入(予約)方法と料金
切符はタイ国鉄の公式オンラインチケットサイトから購入しました。ただこのサイト、かなりロードが遅いので時間ある時にトライした方がいいかもしれません。(アプリもあるみたいですが、未確認。)
*右上のメニューから英語に言語設定を変えることができます。
バンコク発ヴィエンチャン行きの列車を予約する場合、Originに「Krung Thep Aphiwat」、Destinationに「Vientiane (Khamsavath)」を選択し、日付と人数を選んで「Search」。
そして列車、クラス(座席)と選んでいきます。
クラス(座席)は、2等寝台(Sleeping Coach)、2等座席(Seating Coach)、3等座席(Seating Coach)の3種類で、2等はエアコンあり。
尚、執筆時点での片道料金は以下の通り。
クラス | 価格 |
---|---|
2等寝台(下段) | 874 THB |
2等寝台(上段) | 784 THB |
2等座席 | 574 THB |
3等座席 | 281 THB |
寝台か座席かは快適さにおいて雲泥の差なので、寝台を狙いたいところ。寝台の上段か下段かは快適さ・料金面ともに誤差のレベルなので、上段しか空いてなくても確実に寝台を抑えるべきです。
クラスを選んだら、ログイン / 登録モーダルが表示されるので、初めての方は右下にある「Register」から登録に進みます。
Regisgerの画面はこんな感じ↓。
一般的なアカウント登録とさほど変わらないので迷うことはないでしょう。一点、Foreigner(外国人)のトグルをオンにすることをお忘れなく。それをするとパスポート番号の入力に切り替わります。電話番号は任意なので不要のはず。
登録 / ログインができれば次にシートを選びます。
すでに予約されているところは男性、女性、あと坊さん(Monk)が分かるようになっています。
最後に確認画面が出て、問題なければ決済となります。
一般的にはたぶんクレジット or デビットカード払いかと思います。自分はWiseカードを使いましたが、問題なく決済できました。
すべて完了するとメールでQRコードの印字されたPDFが送られてくるので、(結果的にスマホでQRコード見せるだけでいけましたが)念の為プリントアウトしておきましょう。
一番高い2等寝台の下段でも日本円で4,000円しないので、めちゃくちゃ安いですよね。そらすぐ寝台埋まるわ、と。
実際に乗ってみた体験談
ここからは実際に寝台列車に乗ってバンコクからヴィエンチャンまで行ってみたレビューです。
クルンテープ・アピワット中央駅
ネットの情報通り、すごい広い駅。
ガヤガヤしている感じではなく、普通に綺麗でダダっ広い感じ。中には売店や出店、カフェなどもいくつかありました。
自分は当日ドンムアン空港に昼過ぎに着いたため、空港から電車でクルンテープ・アピワット駅まで来て(乗り継ぎなしの一本)、駅の中にあるロッカーに荷物を置いてバンコク中心地あたりをブラブラしたあと、また夜に戻ってきました。
ロッカーは1時間ごとに60バーツで、最大180バーツが1日の上限となっています。
夜でもけっこう人がいましたが、広いのでほとんど気になりません。
8時半過ぎだと売店のいくつかはすでに閉まってました。
乗車、そして車内の様子
出発時刻の20分前になるとゲートからプラットフォームへ入ることができます。
エスカレーターでプラットフォームに上がると、すでに列車がとまっており、すぐに乗車できました。
2等寝台はこんな感じ。
最初からベッドが敷かれていてすぐに寝れる状態でした。上段へは窓側のちょっとした梯子から上がります。トイレに行く時などは少し面倒ではありますが、あまり他人の目を気にしすぎないことも大事。
大きめの荷物置き場は上段にあるので、逆にここは上段の方が取り出しなどしやすいです。
寝る時はこんな感じでカーテンでぐるっと。
トイレはギリギリ使えるレベルの清潔感(もちろん人によって許容範囲は異なると思いますが)。
洗面台はそこそこ綺麗でした。写真撮り忘れましたが、大きめの洗面台もあり。
今回実際に乗車して、寝台ベッドで一晩寝てみて思ったことは、
- 歯磨きセットは持参すべし(あるいは歯磨きしてから乗車する)。水が気になる方はうがい用の水も大きめのペットボトルなどであるとよし。
- トイレでは途中からトイレットペーパーがなくなってたり濡れていたりすることもあるので持参できればベター。
- 意外にも異臭や騒音はなく、寝台の乗客みんな良心的だった(日本人も結構いた)
- 読書灯はあるけど電源がない!
- 冷房はいい感じに効いており、支給の毛布でちょうど良い快適な温度設定(たまたまかもしれないが)
- マットレスは若干貧弱だが、腰が痛くなるほどではなく、柔らかすぎて寝にくいということもなかった
- おすすめは少しお酒飲んでから乗車するなり、とりあえず乗ってすぐ寝る。別にガヤガヤしゃべるような雰囲気でもないし、みんな静かにされているので。
- 揺れで寝れない or 起きるということはなかったが、ガタンゴトンの音と(たぶん)隙間からの光で睡眠は浅かったように思う。寝つきに自信がない人は耳栓やアイマスクがあった方が良さそう。
- 車内に売店もなければ売り子も来ないので、もし夜食や朝食、スナックが欲しい場合はあらかじめ買って持ち込む。
- タイ語がわからないと各駅での停車時間がわからないのでうかつに停車時に買いに走ったりできないと思う(大きめの駅には5分から10分くらい止まってたように思うが)
2等座席、3等座席
参考までに、寝台ではないクラス(コンパートメント)の様子も少し。
やはり座席だと寝るのはかなりきつそう。2等座席についてはまだリクライニングとエアコンがあるっぽいのでましですが。
ノーンカーイでの出国手続き(イミグレ)
バンコク発の列車の場合、ノーンカーイ到着は朝の8時ごろです。
全乗客一度列車から降りて、パスポートコントロール(イミグレーション)を通ります。
カウンターは確か全部で3つほど。ノーンカーイ駅に到着してから出発するまでなんやかんや1時間弱ほどかかったように思います。まあ列に並んで待つのは面倒ですが、外に出れるのは良い気分転換。
貴重品以外の荷物は列車の中に置いておけました。(ただ自己責任で。)
尚、ウドーンターニー(Udon Thani)駅を過ぎたあたりでスタッフの方が寝台のベッドシーツなどを撤収してソファに変えていました。
ノーンカーイを出ればタイ・ラオス友好橋を渡り、ヴィエンチャンはもうすぐそこ。
ヴィエンチャン(カムサワート駅)到着 & 入国手続き
確か予定より20分くらい遅れて朝の9時半前にヴィエンチャンのカムサワート駅に到着。
ここはターナレーン駅よりも市内に近いということで利便性もよし。
プラットフォーム自体は至って普通ですが、建物自体はなかなか綺麗。
入国カード記入やらイミグレーションでの待ち時間も含めるとラオス入国は10時前くらいを想定しておいた方がいいでしょう。
特にビザ(VOA)を取得する場合は追加で待ち時間がかかります。(自分は今回数日の滞在だったので不要でした。)
こちらの写真↓は無事ラオス入国を終えてからイミグレ側を撮ったものです。
2024年7月のこのバンコク ビエンチャン間の国際列車開始を記念するバナーもありました。
尚、カムサワート駅には飲食店はほとんどなく、カフェと両替所があるくらいです。
(補足)カムサワート駅から市内へはバスが安い
駅構内にタクシーカウンターに並んでバスのカウンターもあります。
市内まで、大人20,000 LAKとかなり良心的(タイバーツも使えるはず)。本数は1時間に1本くらいだったと思いますが、列車が大きく遅延しなければ 10:10 のバスに乗れるはずです。
マイクロバスではなく、そこそこちゃんとしたバスでした。
バスの終着はGoogleマップでKhua Din Bus StationまたはCBS(Central Bus Station)とある場所でした。
ここからホテルなどへはトゥクトゥクなり徒歩なりで。バス降りた瞬間からトゥクトゥクの営業がバンバンきます。