【備忘録兼レビュー】プノンペンでクラフトビールを飲めるお店

プノンペンのクラフトビールシーンをマイペースにまとめていきます。

【備忘録兼レビュー】プノンペンでクラフトビールを飲めるお店

意外にも東南アジアの中ではクラフトビールの選択肢が比較的多い都市、プノンペン。全体的に値段も手頃で穴場感あり。

  • できる限りブリュワリー、次にタップルーム系という優先度で訪れています。(ボトルや缶ものだけのバーはあまり好きではないため。)
  • だいたいではありますが、個人的におすすめ度の高い順に並べています。
  • あくまでエール系(特にIPA)好みの自分の主観をもとにしています。
  • 内容は自分が訪問した時点での情報です。

Flowers Nanobrewery

*2025年4月訪問

日本人のブリューマスターがやっておられるお店。Googleマップでは店名にも入っていますが、クラフトビールのほかにヴィーガン寿司もウリだそうです。

場所は独立記念塔のすぐ近く、ボンケンコンエリアのちょっと先あたりです。

美容クリニックの脇の道を進んだ少し奥まった場所にあり、最初はかなり見つけにくいと思います。

中はガレージを改装したような作りで、テーブルが2つ。カウンターはなかったはずです。

下の写真左側がタップ提供、右側がボトルもの。メニューはほぼ毎週くらい変わるそうですが、ボトル提供の中には定番に近いものもあるみたいです。

1杯目はGuava Hazy IPAを注文。しっかりとした味わいながら、くせも特になく飲みやすい一杯でした。これで3.25ドルは最高。

2杯目はWatermelon and Olive Sour Ale。フルーティーさもありつつ、結構(思った以上に)しっかり酸っぱさがある一杯でした。暑い日とかは最初に食前酒的に飲むのもいいかもしれません。

フードは(多分すべて)ヴィーガン向けになっていて、自分が注文したこの餃子も肉類は入っていないようでしたが、キャベツの甘さがしっかり効いて普通に美味しかったです。

3杯目は定番で人気らしいDuck Walk IPAというウェストコーストIPA。WC IPAながらそこまで尖っていたり玄人向けのテイストではなく、飲みやすく、それでいてモルトの甘さはしっかりと残っている感じ。人気なのも頷ける一杯でした。

フードは餃子以外に(写真を撮り忘れましたが)野菜スティックを注文しました。こちらもサルサ的なディップソースがおいしく、健康的で、いつもクラフトビールのお店で食べているようなジャンク系とは対極で罪悪感ゼロ。

ヴィーガン寿司以外にも、ヴィーガンバーガーなどもメニューにあり、欧米中心に確実に一定の需要がありそうで、かつ競合となるお店が少なそうな絶妙なポジションを狙っているのは非常に鋭いな、と。

Botanico Craft Beer Garden

*2024年11月訪問

Botanico Brewing Companyというブリュワリーのお店。Googleマップでは両方隣り合わせで載っています。

ほとんどボンケンコン(通称BKK)エリアといってもいいくらいの場所でアクセスもよく、ランチの前後、あるいはディナーの前後などお店のハシゴもしやすいです。

店内はGoogleマップの写真を見た方が雰囲気が掴めると思いますが、そこそこ広い空間で、Botanicoというだけあって緑の多い屋外スペースもあり、夜はライブ演奏もしているみたいです。やはり立地がらもあり、外国人のお客さんが多かった印象。

自分が訪れた時はタップでの提供は5種類でした。

CenturioNというアメリカンペールエールと悩みましたが、SPlash(Juicy IPA)を注文。フライトもあるみたいでしたが、IPA系が少なかったので今回は単品オーダー。

非常にバランスがよく、完成度が高かったです。間違いなくプノンペントップクラス。もう少しIPAの種類があればもっと良かった。

フードについては注文しようとしたバッファロージャーキーとビーフジャーキーどちらもないと言われ、結局何も食べなかったので評価できず。

ここは朝の8時から営業しているそうで、ブレックファストメニューもありますし、朝からクラフトビールを飲むことも可能。

Riel Brewing

*2024年11月訪問

Riel Brewingはトゥールトンポン(通称TTP)エリアにあるブリュワリー兼タップルーム。

*Noisy Chili Tap Houseという名前でもヒットするので、名前が変わったのかもしれません。

ここら辺のストリートはだいたいそうですが、けっこう住宅の並びにある感じでパッと見通りすぎそうな入りくんだお店になっています。

どう表現するのが適切かわかりませんが、けっこうチルな店内。屋外エリアとつうつうなのでエアコンはなし。

ビールメニューは6種類。

まずはこちらの一番人気っぽいRiel IPA(West Coast IPA)を注文。

West Coast IPAの中でもかなり樹脂感の強いホップバリバリで、自分には少し苦味が強すぎでしたが、好きな人にはささりそう。

2杯目はMosaic Session(Hoppy Session Ale)を注文。こちらは今タップが切れているということでボトルでの提供に。なんやそれ。

セッションエールではまあ仕方ないとは思うものの、パンチが薄くちょっと優しすぎる感じ。自分好みの味ではなかったです。

フードはキッチンスタッフが休みということで一切なしでした。残念。

ここは結構意見が分かれそうなお店というのが個人的な印象です。リラックスした感じが好きな欧米人には好まれるのかも。クラフトビール自体は悪くないんですが、なんか最後の詰めが甘いというか洗練さが十分でないというか。それがスタッフや店内の雰囲気などにも表れている感じがします。あと蚊に5つも噛まれたのがかなりダメージでした。

Embargo Craft Beer Bar

*2024年11月訪問

こちらはブリュワリーではなくセレクトショップ的タップルームです。

場所はLangka Laneの入り組んだ一画。

ランカレーンには小さなバーがたくさん密集しており、また日本食店もたくさんあります。

路地裏といった雰囲気

1階は数席のカウンターとテーブル席が2つ。2階もあります。

男性の方がオーナーさん

今回は4グラス8ドルのフライトをオーダー。

Botanicoのアメリカンペールエール、Chug Brewのパッションフルーツ、Riel BrewingのWest Coast IPA、Brew KhmerのSession IPAの4つにしました。

なんとなくプノンペンのクラフトビールはシトラス系やセッションIPA多めで、ダブルIPAやトリプルIPA、ドライホップ系などは少ないような印象。

帰り際オーナーの方と少し話す機会があり、Embargoという名前のお店はシェムリアップにもあるよね、という話をしたら、「こちらは2019年開業でシェムリアップのEmbargoよりも先。オーナーは違うけどシェムリアップの方がオープンする時に名前の使用料をワンタイムフィーとして少しだけもらったよ。」と話してくれました。あまり両者関係性はないみたいですね。


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AERO COFFEE BAR

*2025年4月訪問

店名の通り、カフェ兼バー。今回コーヒーは飲んでいませんが、Googleマップのレビューを見る限り、美味しいようです。

ここは歩いていてたまたま見つけたので入ってみたお店ですが、非常にセンスを感じる内装で、カフェとしてもバーとしても雰囲気Goodです。

こちらのお店はブリュワリーではなく、タップ提供のビールのほとんどはBotanicoの銘柄でした。

↑の写真にあるように、なぜか将棋の王将が飾ってあったり、「ビールあります」という日本語の垂れ幕があったり、青鬼など日本のクラフトビールの缶があってなかなか視覚的にも面白かったです。

Splash Juicy IPAの330mlを注文。こちらは以前Botanicoで飲んだことがありますが、完成度が高く、間違いない味です。

このサイズで4.85ドルなのでそこまで安いわけではないですが、お店の雰囲気や立地など考えれば悪くないのではないでしょうか。

ボトル入りのクラフトビールも色々取り揃えているようでしたし、使い勝手の良いお店という印象です。

Hops Craft Beer Garden & Restaurants

*2024年11月訪問

Googleマップでの日本語表記は「ホップス クラフトビール」。

どうもプノンペンでは"Craft Beer Garden"というように名前にガーデンと付いているお店が多いですね。

場所はBKKとリバーサイドのちょうど間くらい。

このお店ではクラフトビールの醸造もしていますが、お店自体はどちらかというとタップルームというよりビアガーデン、あるいはビアハウス的な色が強いです。いわば大衆向け(カンボジア物価ではハイエンドではありますが)。

コの字型に2階建ての建物があり、中央にガーデンがあるというレイアウトで、広々としていて雰囲気はとてもいいです。

平日の夜に訪れましたが、ローカルの方が多く、そこそこ賑わっていました。

クラフトビールのメニューは以下の5つ。バリエーションは少なめです。ちなみにローカルの人はグループで来てバレル(樽)で注文しているテーブルも結構ありました。

0.5Lグラスだけ19時までハッピーアワーで30%オフ、ということでギリギリ滑り込みでHOPS IPAを注文。

アロマさがやや足りないものの、当たり障りのない大衆向けクラフトビールという感じで悪くはないです。

フードメニューも結構種類がありましたが、そこそこのお値段だったのと、あまりお腹が空いていなかったのでパルマハムだけ単品でオーダー(本当はアドオンらしいが注文できた)。

たしか2.5ドルでしたが、6枚でビール1杯のアテにはちょうど良かった。

ビアガーデン的なお店なのでクラフトビールラバーにはあまりささらないかも知れませんが、フードメニューも充実していますし樽で頼むとビールもお得そうなので、グループ使いはありだと思います。

なお、このお店の他にHops Craft Beer Eden Gardenという系列店もあるみたいです。

余談ですが、Hopsのビアマスターはドイツ人のようなので、もしかしたら米国的なクラフトビールとは味が違うのはそのような要素もあるのかもしれません。

Stone Head Brewery & Taproom

*2025年4月訪問

プノンペン国際空港に比較的近いエリアにあるブリュワリー兼タップルーム。

プノンペン中心地からはそこそこ離れている郊外といった感じで、周りにこれといって何もないです。

1階が醸造所、2階がタップルームとなっていて、2階は屋内と屋外があり、数十人は入れる広さ。

立地的にもアクセスしにくいですし、自分が訪れた日は雨だったのでお客さんは終始自分だけでした。

ビールメニューは全部で9種類ありました。

4種類のフライトが5ドルだったので、そちらを注文。左から、Red Bus Amber Ale、Darkside Light、Gancore IPA、Smiling Evil Pale Ale です。

エール系は悪くはないものの、全体的にややホップのアロマが弱めに感じました。ホップの種類なのか、製造工程なのかわかりませんが、あともう少しといったところ。

その中でも個人的にはRed Busというアンバーエールが一番良かったです。アンバーエールながら甘さがそこまで強く残っていないのがGoodでした。

Darkside Lightは新しい銘柄ということで試してみましたが、コーヒー以外にも少し薬草のような味がして、面白い味でした。

これら以外にもCream Aleというあまり目にしないビールがあったのですが、この日はあまり体調が良くなかったのでフライトのみで終了。

なお、フードについてはウェスタンフードとクメール料理が両方ありました。

試しにフライドポテトとBBQチキンを頼みましたが、両方油の味が個人的にあまり好みではなかったのと、味もさほど... だったので揚げ物系のフードはあまりオススメしません。

Himawari Microbrewery

*2024年11月訪問

こちらは「Himawari Hotel Apartments」というトンレ・サップ川沿いのホテル内にあるバー。

少し年季の入っている感じはしますが、Googleマップでの評価はなかなか高い4つ星ホテル。

Himawari Microbreweryはホテルの正面玄関からロビーを突っ切った反対側にあります。ゆったりとしたスペースで、ロビーラウンジといった感じ。

常時5種類 + Beer of the monthの6つがタップで用意されているようです。

フードのメニューもそこそこありました。

今回はとりあえずフライトでスタウトとBeer of the monthだったココナッツ系ビール以外の4つを飲み比べ。

正直申し上げて、クオリティーは残念でした。ビアマスターはシンガポール人らしいですが、今まで飲んできたブリュワリーのタップルームの中では最低レベル。ホップの個性さやインパクトが全然で、何より炭酸が弱い。酵母自体なのか発酵プロセスなのか原因はわかりませんが、ちょっと本腰を入れて醸造に取り組んで欲しいところ。


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Eleven Degrees Craft Brewery

*2024年11月訪問

こちらはカンボジア拠点のコングロマリット Vattanac が運営する、Vattanac Capitalの地下1階にあるバー。

クラフトブリュワリーという名前がついていますが、実は2024年の夏頃にビアマスターであったシンガポール人が帰国したということでクラフトビールの醸造は停止中。

執筆時点ではVattanacグループが展開しているVattanac Premium BeerやKrud Pilsner Beerなどの一般銘柄がタップで飲めるお店となっています。

なのでクラフトビール目当ての方にはあまり行く価値がないかもしれませんが、お店自体はさすがVattanacといった高級感漂う空間になっています。

タップは全部で8つ。

クラフトビールがないということを知ってかなりがっかりはしたものの、せっかく来たのでとりあえずドラフトビール(Vattanac Premium Beer)を一杯。

まあこれはこれで汗をかいたあとには普通に美味しいビール。

近くに来ることがあれば、軽く一杯寄ってみてもいいお店かもしれません。