【宿泊レビュー】STF アビスコ ツーリストステーション

アビスコ国立公園内にある唯一の宿泊施設。料理が予想以上に良かったです。

【宿泊レビュー】STF アビスコ ツーリストステーション
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2026年2月の宿泊記です。

STF Abisko Turiststation は、スウェーデン北部のアビスコ国立公園内にある宿泊施設です。

スウェーデン観光協会(STF)が運営する施設で、日本でいうとYMCAとかそっち系。

アビスコは世界的にもオーロラ観測の名所として知られていて、今回こちらに滞在した目的も、もちろんオーロラ鑑賞です。

アビスコで宿泊できる選択肢はかなり限られており、その代表格がこのSTF Abisko Turiststation。というか、アビスコ国立公園内だとここしかないはずです。

一般的なホテルというよりは、ユースホステル、ロッジ、山小屋的な要素が混ざった施設で、サービスやホスピタリティーを期待して行く場所ではありません。ただ、冬のアビスコを楽しむ拠点としてはかなり便利です。

今回は家族3人(子供1人)でホステル棟の個室に2泊3日滞在しました。

アビスコまでのアクセス

アビスコまでのアクセスは結構大変、というか時間がかかるので、空港もあってそこそこちゃんとした町である「キルナ」の方に滞在する人も多いのではないでしょうか。

(自分も計画時、キルナまでにしようかアビスコまで行こうか悩みましたが、まあせっかくなので一番北まで行こうと思い、アビスコにしました。)

まず早朝にストックホルムからSASの国内線(マイルで予約)でキルナへ。

キルナ空港は雪の中に降り立つ感じで、ここからすでに北極圏に来た感があります。空港自体は非常にこじんまりとしています。

キルナ空港からは空港前にスタンバイしていたバスでキルナ市内へ。無料の市内送迎バスかな、とか思ってたらなかなか値段が高かった記憶。まあ北欧、しかも僻地なのでなんでも高いのは致し方ないですが。

バス停付近

キルナ市内で半日ほど時間を潰して、午後の列車でアビスコまで行く予定でした。が、荷物の保管サービスを利用していたツーリストセンターに戻って確認してみると、なんと列車はここ数日運休中でその日も運休とのこと。メールも来てなかったので気づいておらず、時間的にも結構やばい状況でした。

他の選択肢を聞いてみると、Visit Abisko という会社のTransfer(送迎)サービスが唯一とのこと。(その日はあいにくバスもない曜日でした。)

とりあえず急いでその日最後の便を予約することができて、なんとか一安心。料金は一人当たり549 SEK(日本円で9,000円ほど)と安くはなかったですが、他に選択肢もないし、ツーリストセンターのスタッフ曰く運行会社都合で列車が運休した場合、代替にかかる実費については申請すると返金してくれる、とのことだったので。(結局SJのサイトから申請したら、1週間程度でちゃんと返金されていました。)

そんなこんなで列車には乗れずでしたが、乗り合いバンの送迎サービスを利用して、なんとかSTF Abisko Turiststationにその日中に到着することができました。

到着は夜になってしまったので、道中の景色はあまり見られませんでしたが、乗り合いバン自体はそこそこ快適でした。ドライバーさんが他の乗客と話しているのを聞いたりしながらの移動で、それはそれでよかったです。

ただ、冬のアビスコ方面は交通機関に振り回される可能性があるので本当に要注意。代替案の計画は必須です。

実際、帰りもAbiskoから乗る予定だった列車が(また!)運休で、結局タクシーをギリギリで捕まえてなんとか、という不要な試練を与えてくれました。

SJ(鉄道会社)、ほんと連絡メールぐらい送ってくれ。

STF Abisko Turiststationの概要とチェックイン

2月の滞在でしたが、やはり人気の施設ということで、ほぼ満室だったようです。自分は前年の9月に予約しましたが、やはり予約は早めが間違いなく良さそうです。

滞在中は日本人グループもいくつか見かけたので、一部団体ツアーなどでも使われているのかもしれません。

こちら↓がメインの建物(本館)。雪に囲まれた赤茶色の建物で、北欧の山岳施設という雰囲気です。

エントランス↓。

フロント(受付)前にはちょっとしたロビー的なスペースと、情報掲示板があります。ちなみに下の写真に写っているスノーシューズ?は隣にあるショップでレンタルできるようでした。

チェックイン自体はそこそこスムーズでしたが、やはりホテルのような丁寧な案内はありません。

共用キッチンの使い方、ゴミの捨て方、サウナの使い方、オーロラ情報のチェックの仕方などは、滞在しながら「あーそういう仕組みか」と後から分かることが多かったです。

せめて案内用紙のようなものが一枚あればかなり助かったはず。このあたりは少し不親切に感じました。もちろん聞けば教えてくれますが、こちらからひとつひとつ聞く必要があります。

ユースホステル棟(Keron)と部屋

STF Abisko Turiststation の客室は大きく分けて、本館内のホテル客室、ユースホステル棟のKeron、キャビンの3種類です。

我が家が今回泊まったのは、メイン棟ではなくホステル棟。こちらはキッチン付属で自炊可能タイプ。

個室部屋(プライベートルーム)

予約したのは、4-bedded room economyというタイプ。2段ベッドが2つという作りです。

部屋はかなりシンプルですが、家族3人で泊まるには必要十分。ちょっとした収納スペースとイスも複数もあります。

ベッドメイキングは自分でやる方式。まあホステル(バックパッカー)ですね。

洗面台も備え付け。

トイレとシャワールームは共用でした。可もなく不可もなくですが、少なくともシャワーはちゃんとお湯が出たので良かったです。

水圧はやや弱めですが、まあ僻地なので許容範囲内。正直、ストックホルムで泊まったヒルトンの方がシャワーは微妙でした。

ちなみにシャワーを使った後は、自分でモップで床を掃除して次の人が使いやすいようにするルールのようです。このあたりもホステルらしいところ。

施設としての清掃やメンテナンスはそこそこちゃんとされている印象で、特に大きく不満に思った部分はありません。

滞在者は我が家のような子連れから、カップル、年配の方までさまざま。

全体の雰囲気はやはりホステル感があって、自分が若い時にバックパッカーでホステルに泊まって旅行していた頃を思い出して、少し懐かしい感じがしました。

個人的には economy タイプの部屋でも全く問題なかったですが、ホステル経験がない方や、より快適に過ごしたい方はたぶんキャビンタイプの方が良いでしょう。そのぶん値段は上がりますが。

ただ、キャビンはかなり人気のようで、すぐに予約が埋まってしまうみたいなので早めの予約必須。

キャビンタイプ

朝食

朝食は本館にあるレストラン Kungsleden でビュッフェ形式です。

事前予約では大人 170 SEK、子供 85 SEKでしたが、結果的にとても満足できたので、オススメ。

ホステルの食堂とレストランの間くらいの雰囲気や内装。(ディナー時はまた少し雰囲気が変わります。)

初見では、日本のちょっとしたビジネスホテルの朝食会場かよ、という印象でしたが、中身はちゃんとしていました。

ドリンクの種類も豊富で、一部はタッチパネル形式。ベリー系の飲み物もありました。

スウェーデン名物?のチューブタイプのペースト系も複数ありましたし、野菜もとてもフレッシュで予想以上に美味しかった。

ミルク類はたくさんあって、どれが何だか自分にはさっぱりだったので、ChatGPTで確認したりして攻略。

サーモンもハム系も野菜もパンも、非常に美味しくて、値段から考えるとそこらの高級ホテルよりぜんぜん満足いく朝食です。ただ、遅めの時間だとなくなっている料理もあったので早めに行った方が良いです。

ベリー系もしっかり充実してて、素晴らしい。

窓際に座ることができると、景色も良いですよ。

夕食(レストラン)

夕食は朝食と同じレストラン Kungsleden。ウォークインもできるかもしれませんが、夕食は事前予約を強くおすすめします

というのも、事前予約だと一律料金(コース料金)にも関わらず、現地ではどのメニューを選んでもOK。つまり、一番高い料理を選ぶこともできます。一方、レストランで注文する場合は、料理ごとの値付けになり、かつコース合計の値段も事前予約よりも少し高くなるはずです。

また、事前予約の場合は子供料金の設定があり、まったく同じ料理を大人の半額で食べることができます。子連れには非常にお得です。

内容は、スターター、メイン、デザートの3品コース。シンプルですが、こんなんで良いんですよ。

こちら↓は初日に食べたメインのリブアイステーキ。備え付けのポテトや野菜もとても美味しくて、満足でした。(ただし、初日以外は品切れで別メニューに変わってしまっていたのが少し残念。)

ドリンクは別注文で、(事前予約していたとしても)レストランでの注文となります。IPAがあったので毎回それを注文していました。

コース料理の中にはやや塩気が強いものもありましたが、全体的には十分満足。アクセスが大変な場所ということを考えると、なかなか頑張っているのではないでしょうか。

ただ、時間帯によってはレストランが混み合い、スタッフもそこまで多いわけではないので待ち時間が発生することがあります。

スタッフのほとんどは若い方ですが、みんなテキパキと仕事をしており、英語も問題なく、コース料理ではちゃんとレストラン同様「料理の方はどうですか?」と聞いてきてくれます。

その他の施設や設備など

共有キッチン

こちらはユースホステル棟内にあるキッチン。思いのほか広く、景色も良いです。

下の写真に写っているものが、反対側にもあります。

夜は特に活気があってそこそこ人が多かった印象。

今回はほとんど使いませんでしたが、自炊メインで滞在するならかなり重宝しそうです。

確か午後2時から1時間か2時間ほど、清掃でクローズになる時間帯がありました。

サウナ

ユースホステル棟にはサウナもありました。(本館にもあるのかもしれませんが、不明。)

シャワー複数と、シンプルなサウナのみですが、外が酷寒なので体の芯から温まれるサウナは貴重で使う価値あり。

ただし、外のスイッチを入れないと熱くならない仕組みで、案内がないので初見だと分かりにくかったです。このあたりも、もう少し説明があると親切なのですが。

談話室

こちらは本館にある談話室的なスペース。明かりの具合と暖炉、そして外の景色がとても絵になります。

これらの部屋以外にも、チェスなどのボードゲームもあり、子供連れでも普通に過ごしやすい雰囲気でした。

乾燥室

こちらはユースホステル棟にあった、乾燥室だったと思います(今回使わなかったので一瞬見ただけ)。外はどこも雪ばかりで何かと濡れるので、ドミトリーに泊まっている人などには重宝するかも。

カフェ

本館の地下というか地上階には、カフェラウンジもありました。ここも景色が良いです。あと改装したっぽい感じでとても綺麗。

トレッキング

さすが国立公園というだけあって、難易度の異なるトレッキングルートがいくつもあります。今回は1時間ほどのルートと、2時間ほどのルートの2つを歩きました。

凍ったTorneträsk(トーネ湖)

基本的には、しんしんとした白銀の世界をひたすら歩くだけです。

でも、あらゆるものが白く、そして凍っているので、少なくとも我が家にとっては非日常そのもの。

凍った川

日中にすることがそこまで多い場所ではないので、トレッキングはかなりおすすめです。夏は夏でまた全然違う景色になるのでしょう。

ワンポイントアドバイスなど

ソリのレンタル

ショップではソリを無料で借りることができます。(これもチェックイン時に案内などないので後から知った。)

全部で5つくらいあるそうですが、基本常に誰かが持って出て返していないことが多いです。スタッフに聞いたところ、見つけて誰も使っていなければ普通に使ってよいとのこと。

9歳の息子はひたすらソリで遊んでいました。場所によっては結構スピードが出るので、タイミングの良いところでソリから自分で脱出して止まるのがコツ。と同時に、ソリが滑っていかないようロープは離さないようにガッチリホールド。

もちろん親が引っ張って遊ぶのもよし。大人でも普通に楽しいです。

野生動物

最終日には、野生のムース2頭を見ることができました。これはたまたま近くで誰かが会話しているのを聞いて、外に出て探したらいました。STF側が「今どこどこにムースがいます」と教えてくれるわけではなく、滞在者自身が見つけるか、我が家のようにたまたま聞こえてきた情報を元に動くか、という運次第な感じです。

ムース(ヘラジカ)以外にも、トナカイやライチョウ、ユキウサギなどがいるそうです。

食料調達

食料や飲み物は、可能であれば道中で購入して持ってきた方がいいでしょう。我が家の場合はキルナのスーパーでちょっとした食べ物とビールを購入しておきました。

なんでも外に置いておくだけですぐ冷えるので楽ちん。

STF Abisko Turiststation内のショップ「Fjällboden」にも少し食べ物や飲み物が売っているので、スナックや飲み物の調達は問題ありません。

アビスコにもちょっとしたスーパーがあるようですが、小さいらしいのと、STF Abisko Turiststationからは数キロ離れているようなので、現実的にはキルナなどで買って持参するか、ショップで調達するか、でしょう。(中長期滞在は除いて短期であれば。)

アクセルや交通機関

今回は行きも帰りも予定していたSJの列車が運休になり、やむなく行きは前述の通り乗り合いバン、そして帰りはタクシーを利用してキルナ空港まで戻りました。

帰りについては、SJの代替バスが来る予定だったものの、時間になっても来る気配なし。周りで待っていたほかの人たちも確かな情報を掴めず、STFのスタッフも詳しいことはわからず、スウェーデン人の方でさえSJに電話して確認したりしていました。結局バスだと間に合わなくなったのでギリギリでタクシーを手配することになりましたが、Uberもほぼ使えないエリアなので、STFのスタッフに依頼してタクシー会社に電話して、なんとか一台近くにいたので回してもらえましたが、帰りは本当にキルナまで戻れないかと相当ヒヤヒヤさせられました。(ちなみに電話するスマホは貸してもらえましたが、電話自体はこちらでする必要があって、そこら辺はやはりホテルレベルのサービスではなくあくまでユースホステルレベル。)

なお、STF Abisko Turiststationのエントランスには、↓のような掲示板があって、交通系の情報を見ることができるようになっています。スウェーデン語なので、ChatGPTなどで翻訳する必要がありますが。

とりあえずバックアッププランの計画は入念に。

オーロラ観測情報

最後に、オーロラについて。

Aurora Sky Stationのライブ映像のページを定期的にチェックして、オーロラが出ていそうなら、外に出て目視で確認、というのがオススメとスタッフが教えてくれました。

いまオーロラが出ています、とか教えてくれないんですよね。自分たちで確認する必要があります。

今回我が家は子供がいたのでAurora Sky Stationまでは行かず。

残念ながら滞在中はなかなか天候に見舞われず、ほとんどちゃんとしたオーロラは(睡魔に勝てず寝ていたこともあるので)見れませんでしたが、それでもアビスコを体験できただけで満足でした。

オーロラはまた次、別の機会として旅行を計画する良いきっかけになりそうです。